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without judgement
カルガリーに来てすぐに立ち寄った本屋で購入した。
一目で手に取り、パラパラ読んで値段を見た。

高い。

が、買わずにはいられなかった写真集があった。

83cents

83CENTSという名のこの本は、カルガリーの路上で生きる人達が主役。
普段街に居て、厄介者として「人」として見られていない彼らは、この写真集の中では一番「人」だった。

実を言うと、私は自分と同じ「人」としては見たことがなかった。
意外に自分は差別的に人を見る一面がある。

「ホームレスがこんなに居るからカルガリーが汚く見えるんだ」

とさえ、思っていた何とも冷血な人間でもある。
そうだ。
働かないで、家もなくて、人からの施しでいつもマリファナを吸って、酒を飲んで、ケンカしている彼らを見下していた。

そして、彼らの生活は苦しい、貧しい以外の何物でもない。と思っていた。

だが、白黒の本の中の彼らは片目を失っていようとも、薬で手や足を失っていようとも、肉をえぐられていようとも、電車で5本指全部失おうとも、アツイ瞳を持ち、いつも笑顔で、超ギターが上手かったりする。


先日、家に溜まりに溜まった空き瓶や空き缶を、セーフウェイのカートを押す一人のホームレスが見つけてしまった。
ドアの前に立つ彼を見て気味悪がる私を尻目に、大量の缶瓶をもらいたい、と言う。
カナダでは、ビールやジュースのボトルを再利用する為に、Bottle Depotという場所を設け、空き缶や空き瓶の回収に努めている。
格ボトルごとに幾らか現金の返却があることは知っていたが、私はどうせそんなことしないので自分に金が入るわけじゃなく、彼にボトルをあげてもあげなくても私の財布の中身に変化はない。
どころか、家がキレイになるし、重い物をゴミ捨て場まで運ぶ必要もなくなる。

そんな安易な考えで大量の缶瓶を持って行ってもらうことにした。

運ぶのには少々時間がかかった。
なんせ、大量だったから。

その間彼はココゾとばかりに、口が動く。
私もココゾとばかりに、イロイロ質問する。

ビール瓶1本 10セント
ペットボトル1本 5セント。
デッカイペットボトル1本は20セントもくれるらしい。

ちなみに牛乳パックやら冷凍ジュースやら紙素材のやつは、リサイクルはするがヤツラは金をくれないから、回収しないんだ!と自慢気に語る。

彼の名はリトルジミー
しつこいくらい何度も何度も自己紹介する。
まるで、「ちゃんと自分には名前があるんだよ」と訴えるかのように。

そうそう、と、私は1週間くらい前に買ったこの写真集の本を見せた。
もしかしたら彼が載っているんじゃないか・・・と思って。

彼は興味深そうにその本を手に取る。
二人で歩道にデンっと座り込み、

「じゃ、今からこの本より先に俺がヤツラの名前を言うからな!そしたら俺が本当にヤツラを知ってるってことがわかるだろ!?」

って嬉しそうに本に書かれている文字の部分を手で隠しながらページをめくる。
ツバべっとりな指で1枚1枚めくるのが気になったが、弱小な私は注意できなかった。オヤジは世界共通でオヤジだということがわかった。

写真1枚1枚につきリトルジミーは丁寧に嬉しそうに笑いながら説明する。
自分で読んでいた時には気付かなかったが、同じ人物が重複して撮られていた。そんなことも、ジミーに言われなきゃ気付かなかった。

天気は最高に良かった。

リトルジミーは本を読み終えると、

「この本は宝物だよ。俺たちの生活、生き方の全てが詰まってる。それは簡単かもしれないし、じつはとても難しい人生かもしれない。でも全ては自分次第なんだ。言ってること分かるかい?とにかくこの本は大事に一生持っててよ!イー本だぜ、こりゃあ!」

て、時に真剣な表情を見せながら、最後には笑顔イッパイで語ってくれた。
私の今の英語力で全部の会話が理解できたわけじゃなかった。
でも、最初気味悪かったホームレスのオッサンは、今じゃ笑顔のカワイイ近所のよくしゃべるジィチャンになっていた。

ダウンタウンで会えば、きっと声をかけるだろう。
もしかしたら、ハグまでしちゃうカモ。(それは無理ダナ。笑)

良い話を聞けた。

彼らは思ったより自由だった。

littel jimmy

my eye sees you as beautiful.
my eye adores the way you walk and shines when you talk.
my eye wants to be like you and my eye wants to be with you.


■カルガリーのホームレスボランティア団体のサイト
The Mustard Seed Street Ministry
01:39 | 文化 | comments(3) | trackbacks(0) | カナダ留学ブログランキングを見れちゃ
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コメント
うーん、いい話だね、これは。感動しちゃった。そんな話が聞けるなんてラッキーだわ。
・・・というか、あたしも空き缶還元したい(笑)
2005/08/22 7:59 AM by つっちー
やっべ
今まで見るだけだったけれど
思わず書き込んでしまいました
彼らの生き方と交差した
あなたの生き方も大好き
2005/08/22 8:53 PM by ゆうじ
>つっちーサン
ただたくさん話してくれたのに、全て理解できなかったというのが悲しいですね。英語力の乏しさに落ち込みはしないけど、「まだまだだなぁ〜」ってね・・・。
知らなかったんですが、ウチのオーナーは空き缶還元でルームメイト共同で使う物資(キッチン用洗剤等)を買っていたそう。
ゴメンネ、オーナー。。。
>ゆうじサン
素敵なコメントありがとうございます。
今までの自分なら彼を玄関先で追い返してたでしょう。でも、なんだろうね。自分も変わったんだろうね、彼らを「自由」と思えるようになったのは・・・。
自分の生き方を認められるというのは、性格や容姿を褒められるよりも格段に人をハッピーにさせるもんだね。
ありがとう!
2005/08/23 6:33 AM by 松腹
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